弁護士費用も裁判にかかった費用も、裁判に負けた方から取ればよいという考えをもっている人は多いと思います。実際、民事訴訟法では「訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とす」と定めています。しかし、弁護士に払った着手金・報酬金も訴訟費用として敗訴した相手から取れると考えているならそれは誤解です。民事訴訟費用法という法律があって、弁護士にかかった費用は含まれていません。訴訟費用というのは、訴えを起こすときに訴状に貼る印紙代とか、その訴訟に出廷した証人、鑑定人などに払う旅費、日当、鑑定料など訴訟実費だけです。民事訴訟法の建前は、訴訟は本人でやるものとされており、必ず弁護士をつけるものとされていないので、弁護士を頼むのは頼む側の自由だから、その費用は自分で負担すべきもの、となっているようです。債権回収や土地の返還といった場合なら、弁護士に依頼して報酬を払ってでも経費として、自己負担もやむを得ないでしょう。しかし、交通事故その他の不法行為で被害を受け、相手加害者に誠意がないため訴訟せざるを得ないとき、弁護士に依頼して報酬を払うとなると、予期せぬ出費といわざるを得ません。そこでこうした不法行為による損害賠償事件では、弁護士にかかった費用を、不法行為による損害金として、相手に負担させることができます。ただ、この場合、裁判官がこの事件で相手方に負担させるべき弁護士報酬はいくらが相当である、と決めた額を取り戻せることになっています。